御社と貴社の使い分け

昨日の更新をさぼってしまったぞ。忙しいなんて言い訳にならない。継続は力なりでがんばらねば…。

 

さて御社と貴社の使い分けーググったらすぐに回答は見つかると思うけど、けっこう質問を受けることが多いのでまとめておくね。

 

意味は全く同じで「あなたの会社」のていねいな言い方だ。御社が基本的には口語であるのに対し、貴社は書き言葉である。ただし、御社は文字にしても違和感はないが、貴社(キシャ)を話し言葉で言うとかなりヘンに聞こえるので注意。

 

では「社」がつく以外の法人ではどうか。話し言葉・書き言葉の順に言えば、金融関係では銀行が「御行」「貴行」、信用金庫は「御庫」「貴信用金庫」。信用組合が「御組合」or「御組(おんそ)←今ではあんまり使われないかも」「貴組合」で、JA(農業協同組合)や生協(生活協同組合)などの団体も同様だ。学校は「御校」「貴校」でOKで、口語でも貴校(キコウ)が使われている。言いやすいからかもしれない。

 

では公務員は?いろいろ聞き回って得た結論は、「公僕」なので原則敬語は不要、だ。ただ、部署あての書き言葉では「貴管理局」「貴署」などがよく見かけられる。人あてには「貴職」で、一般企業なら「入社」というところを「入職」と言っている。ちなみに、「貴職」は一般企業の会社員に対しても使用OKである。

 

最後に、間違いやすい例を。「弊社」は、「御社」「貴社」と同じ扱いにはできないよ。たまに、社会人でもカン違いしている人がいる。これは謙譲語(へりくだった言い方)で、会社員が自社について(とるにたらない当社ですが)というニュアンスで使うからね。

 

また、NPOの呼び方については定まっていないようなので「貴NPO」とか「貴法人」とかで誤魔化しておこう。ただしメンバー(構成員)に対して、「貴構成員」なんて使っちゃいけない。「構成員」は非合法的NPO法人のメンバーに対する呼称と相場が決まっている。

 

ちなみに約2万人の構成員を擁する日本最大の某NPO本部は、ここ神戸にある。阪神大震災では炊き出しで大活躍、地域とのつながりをアピールしていた。が、社会情勢の変化により、数年前より近隣住民を正月恒例のもちつき大会に招待するのを自粛している。参加者には3万円のお年玉が用意されているという都市伝説があった。