ヘタな文章の見分け方

なかなか刺激的なタイトルである。実は、文章の腕前を見分けるのは結構簡単で、文字を目で追っていく必要はない。書かれたものをパッと見たらすぐわかる。

 

コツはカンタン。重複表現の多さだ。

一番わかりやすい見分け方は、「思います」がいくつ文中にあるか数えることだ。2000字までの論文だと、たいていの人の文章構成は、事実説明→意見(まとめ)になる。だから、論の後半に「思います」「考えます」が集中している文章は、文を書き慣れていない人によるものと見なして間違いない。こうした文は中身もいわゆる'残念’なものが多い。頭の中で内容が十分に練られていない表れだからだ。

 

ただ中には、文そのものは拙く、ときには支離滅裂で文意を取るのに苦労しながらも、キラリと光るアイデアや、仕事へのほとばしる情熱がにじみでているものがある。評価者としては、おおげさでなくダイヤの原石を発見したような喜びがある。(反面、どうしてわかりやすく説明できないのか、これで周囲に自分の意図を伝えることができるのか、と心配になるが。)

 

ということで、よほど言い切ることがためらわれる事柄でない限り、「思います」は使わない方がいい。特に「~したいと思います」では「~したい」と決意を表す表現に重ねて、意思表示の「思います」を使う必要はない。「馬に乗馬」「もののふの武士」と同様の重言になる。

 

それでも「思う」が好きな方へ。言い換え例を下に挙げておこう。

 

「~と思う」→  「~ではないのか」

           「~だろう」

           「~のようだ/~だそうだ」

           「~とのことであった」

           「~らしい」

 

また、最近学生さんの文章でよく見かける「うれしく思う」などの「感情語+思う」もいかがなものか。遠まわし過ぎて「本当にうれしいのかい?」とツッコミを入れたくなる。喜怒哀楽を露骨に表すことをお控えになる、ロイヤルファミリーならばいざしらず、庶民は笑って怒ってナンボのものではないか。ストレートに表現してほしい。

 

日本語の文尾はそもそも「だ、である」「です、ます」と単調だ。「思います」も原則は省きながらも、シチュエーションによってできるだけ使い分け、リズムを持たせよう。その方がワンランク上の文章になる、と思うぞ。