グループ・ディスカッション

実は、私もグループ・ディスカッションや会議が苦手である。

 

「講師」という相当一方通行な話し役と、「カウンセラー」という究極の聞き役とを分けて仕事をしているので、両方を同時にやれといわれるのはつらい。マインドAとマインドBの2つの人格を同居させている感覚の中、どちらを表に出すか、一人悶々と葛藤している時がある。

 

いい年してそんなことに苦しむタハラから、若い皆さまにアドバイスを。

 

自分は話し役タイプか、聞き役タイプかを知っておくことだ。いうまでもなく、日本人(というか日本の文化で育った人)は1対9以上の圧倒的多数で聞き役タイプが多い。

 

これを押さえたうえで、自分は指定されたディスカッションにおいて、話し手(リーダー)的役割、聞き手(フォロワー)的役割どちらを演じるのか、まず決めておこう。ちなみに、リーダーに注目が集まりがちなんだけど、これらの役割に優劣はないからね。

 

ではそれぞれの役割での注意点の前に、今回のコラムでは共通の心得を。

 

一般的心得

・議題のゴールを意識すること。

 → 「新商品の企画」「理想の××(職業名)になるには」など、議題はさまざま。が、かならずゴールがある。例えば前者なら魅力的な新商品を考え出すこと、後者なら××の理想像とそこへの具体的な到達手段を明確化することだ。議論出発の前にそのゴールを全員で確認しておこう。

 

・議論が「今どこにいるか」に集中する

 →自分たちはそのプロセスの「どこ」にいるのか、議論が沸騰してくるとわからなくなるときがある。ゴールまでの距離を常に意識しておこう。場合によっては「~について決めてたと思うんだけど、●●の話に変わって10分たっているよね?」などと注意を促そう。寄り道を楽しむぐらいの心の余裕があればいいね。

 

・ゴール到達のためへの貢献、をモットーにする

 → 目立ちたい、いい点をつけてもらいたいという生臭い欲求はいったん頭からぬぐいさること。その代わりにゴールに到達するために自分は何ができるか、に全力を尽くそう。

 

・ゴールにたどりつけばラッキー、ぐらいで肝を据えておく

 → 議論を観察している人事担当者は自信にあふれ、解答を持っておるオトナな人に見えるかもしれない。でも、与えられた時間でその人たちが議論を仕上げることができるかと言えば、?だ。それができてりゃ日本経済はこんなに沈滞していないはず。

 

次回は役割別の注意点や「残念な人」がグループにいるときの対処を一緒に考えよう。