「知」は無条件で分かつべきか?

 「OCW(OpenCourseWare)」をご存じだろうか?

 

これは大学で実際に利用している講義教材をインターネットで公開するプロジェクトで、1990年代にドイツのある大学でオンライン授業を行なったのがはじまりらしい。そして2002年、アメリカのマサチューセッツ工科大学がにこれに続いたのをきっかけに、世界中に広まったようだ。

 

日本に導入されたのは2005年、現在行なっているのはせいぜい20大学ぐらいだが、今後ますますその数は増えてくるのだろう。

 

ところが、それに一石を投じるような学生さんからの興味深い発言がある。以下はOCWを実施した、とある大学の先生から引用させていただいたものだが、みなさんはどう考える?

 

特に大学生諸君、ご意見を乞いたい!

 

『昨日の試験のときに、open courseware に関する感想をたずねました(回答自由)。15人ほどから回答があって、ほとんどは好意的な印象で、なかには「もっと奇抜なファッションでやるべし」というような回答もありました。

 うちの一人の回答に「自分は子供のころからずっと勉強ばかりしてきて、おかげでこの大学に入学できた。ここで講義が聴けるのはこの大学の学生の特権であるべきなのに、こうして一般に公開されるのは、自分としては割り切れないものを感じる。講義がだれでも聴けるなら、学生に与えられるのは成績評価だけにすぎない。外部発信と学内の講義はどこかでボーダーをもうけるべきであるという意見が書かれていました。これに関して、どのように思われますか?』