オノマトペとうまく付き合う

結構いいこと言っているんだけど、あらたまった場面でしゃべるとイマイチ'残念'なヤツがいる。仮に「イマ男」としとこう。その理由に最近になって気付いた。次にイマ男との会話を記す。

 

イマ男:「A先生の研修なんですけど、なんか気持ちにグーッと来ないんですよね。サクサクと進んでいくだけに後に残らないっていうか…」

私:「そうかなぁ?受講者へのコメントもいかにもリケ女って感じで、客観的かつ的確だよ」

イマ男:「ウーン、それが人によってはツンツンしてるって感じになってしまうんですよ。その点、B先生は最初にガツンとやるから、その次の内容がズンズンはいるって好評なんです」

 

これ、1対1のオフレコトークだからいい。でもイマ男くんは思いが走るあまりか、あらたまった場面でも「グーッ」「サクサク」「ツンツン」「ガツン」「ズンズン」など、擬音語や擬態語、いわゆるオノマトペを多用するクセがある。緊張するとよけいにその傾向が強まる。

 

その結果、他人にはどう聞こえるのか?幼稚で頼りない印象を与えてしまうのだ。まさか自分は大丈夫、と思っている人も、しゃべっている様子を記録してみてごらん。たいていは無意識のオノマトペの多さにびっくりするよ。

 

ちなみに外国人に対しては「オノマトペが自由に操られるようになったら一人前」とよく言われる。ただしネイティブの場合は逆で、幼児期の日本語習得はオノマトペから始まる。車は「ブブー」、風呂は「ちゃぶちゃぶ」と言った具合である。幼児語を思わせる表現の多用は、ビジネスの場合はまずかろう。

 

特に話のキーワードになる部分は大人の言葉で置き変えなきゃ、不当に低い評価を受けてしまうかもしれない。これはプレゼンの場合だけではなく、上司への報告・連絡・相談の場合でも同じだ。

 

逆に、自分は理論整然としゃべることは得意なんだけど、「情」に訴えるのは苦手という方。このオノマトペをうまく利用すること。「皆さん、心を合わせて一斉にプロジェクトをスタートさせましょう」というよりは「皆さん、せーの、ドン!でプロジェクト開始です」と言った方が、心に残るかもしれない。