様と殿

今回は2年ほど前に書いたコラムの再掲載。何も書かないよりゃまし、程度の夏休み手抜きバージョンだ。でも研修でもっともよく質問を受けるのはこの「殿と様との使い分け(↓)」だぞ(と言い訳)。

 

「人の名前の後ろにつけるのは、『様』と『殿』とどっちがいいんですか?」。私の答えは、いつも「どちらでも大差ないですよ。職場の慣習に倣ってください」。ただ、そう言うと、ときどき不服そうな顔をする人がいる。おそらく、どっちが正しいのか、専門家のお墨付きをもらって職場に帰りたいのだろう。でも、格式上の差異は今はない。ただ私個人の好みからすれば、「様」だ。氏名の後ろにつけるのには、やわらかくていい。

 

じゃあそもそも、「様」「殿」の由来は何か。 古来、エライ人の名を直接呼ぶことはタブーだった。そこで名指しの非礼を避ける工夫、すなわち敬称が生まれた。「様」がその際採用されたのは、「~のようなもの」という意味の「ぼかし機能」を持つからだ。つまり「田原様」=「田原のようなもの」。現代人の感覚からすれば、そっちの方が失礼なような気もする。

 

ではに「殿」はどうか。「御殿」という言葉から察しがつくように「居住するところ」という意味を持つ。「田原殿」は「田原が住んでいるところ」で、これも人そのものではなく、ところを指すことにより、礼を失する危険を回避するということだ。なんともまどろこしい話である。

 

ちなみに、「御待史」という敬称はご存じだろうか?「知っている」というあなたはおそらく医療関係者だろう。これは「お側についている侍者の方」という意味だ。貴いあなたに直接手紙を差し上げるなんて恐れ多い、というスタンスだ。「神経内科 ○○先生御侍史」など、医者あての書状でよく見かける敬称である。

 

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