研修スタンスに違和感あり

「いったいどんな仕事をされているんですか?」と他人から問われて、ぐっと詰まることがある。人事コンサルもどき、キャリコンもどき、本の書き下ろしに編集企画、講演…「よくわからん」というのが本音のところである。文字と論理のあるところ、どこでもいきます、なんでもしますというところだろうか(こういう商売のやり方が一番まずいのだが)。

 

こんなよろず商売の柱の一つに「研修講師」がある。研修講師仲間の出会いでは、初対面から妙にウマが合う人と、いつまでたっても「そこそこ」の人がいる。前者と後者を比較すると「気の合う」組と自分との間に、ひとつの共通点があることに気付いた。それは、講師業オンリーではないことだ。それ以外の商売をやっている、つまり「儲ける」という視点の経営者の顔を持っているのだ。

 

研修講師は、コミュニケーション系ならばコーチングやダイバーシティ、組織開発系ならU理論などいろいろな考えや理論を使い、研修を施したり、最近ではワールドカフェなどの形をとってセッションを開催したりする。そこで「感動」や「共感」がゴールになっているケースが多々ある。

 

確かにそれも重要だが、私の感じる違和感はここにある。そもそも組織のゴールは、スキルや理論を使っての「成果」じゃないのか?「気持ち」はその入り口なんじゃないだろうか。

 

ドラッカーではないが、組織の目標は、利益の最大化である。それができてこそ、社員の暮らしも立ち、世の中が潤うことが可能になるのだ。そのゴールを「はい、いい顔していますよ。皆さんの笑顔から私も元気をもらいました」にしてどうする、と内心思う。

 

組織に稼がせてナンボ、儲けさせてナンボ。そのために個々人の能力アップの手助けをする。自戒を込めて、今後もこれを自分の研修のモットーにし続けたい。