本当に怖かったグリム童話

グリム童話 初版 
グリム童話 初版 

もうかれこれ10年以上前になるだろうか。『本当は恐ろしいグリム童話(桐生操 著)』というシリーズものが結構はやったことがある。初版に近い形に戻したというのがうたい文句で、『白雪姫』『灰かぶり(シンデレラ)』『ラプンツェル』などディズニーでおなじみのものもある。いずれも、江戸川乱歩もビックリのエログロ話となって並んでいた。

 

で先日、たまたまグリム童話の初版を読む機会があった。エロの描写は暗示に留まりさほどとも思わなかったが、残虐性に関してはかなりのものがある。もともと民間口承を書き取ったものだからまあ仕方ない。現代なら間違いなくR12指定がつくツワモノもある(そういう部分が弱い方々のために、ここでの引用は控えておく)。ちなみに童話を編集したグリム兄弟の「Grimm」は、英語のgrim(残虐な)の語源である古英語のgrimmと綴りが同じだ。単なる偶然だが。

 

でも一度、初版本に目を通されたい。おすすめ出版社は『初版グリム童話集(白水uブックス)』だ(現在絶版?図書館ならある)。『長靴をはいた猫』ではこしらえてもらった長靴によっこらせと足を押し込んで、ピンと直立して胸をそらす場面なんてのはなかなか可愛いよ。そしてなによりも、原典にとりあえず戻ることの大切さがわかる。『本当は恐ろしいグリム童話』をはじめ、ネットに跋扈(ばっこ)する「ホントのグリム童話」とやらがどんなにいい加減な脚色をしているか、よくわかるから。