先週ちょうど誕生日だった。公衆衛生と医学の発達はありがたいものである。「にんげん五十年~」という幸若舞の時代だと、もう墓場で横たわっているはずの年齢が、こうやって元気にパソコンを打っている。
さて誕生日、ケーキへの点火直前で、子どもが留学中のエピソードを語り始めた。
留学生仲間の誕生日パーティーで、参加者全員が自国の言葉で『ハッピーバースデー』を順番に歌っていったらしい。中国語あり、ロシア語あり、ブラジル語あり、韓国語あり、そのうち、自分の番になった。当然「ハッピーバースデー トゥユー~♪」と歌いだしたところ、皆口ぐちに叫び出した。
「何だそれ?英語じゃないか?!」。確かに日本語のかけらもない。
それを聞いて私は方針転換、試みに、直訳日本語で歌ってもらうことにした。だが「おたんじょうびおめでとう」では「おめで」が三連譜にならざるを得ず、どうも収まりが悪い。
後で調べたところ、作詞家の丘 灯至夫(おか・としお 『高校三年生』『みつばちハッチ』などもこの人らしい)によるものはあるのだが…お亡くなりになったのは2009年、公の場でうかつに歌うと著作権上キケンだ。ちなみに最後の作品はWikiによると『霊柩車はゆくよ』。著作権フリーになっていれば、私の葬式で歌ってもらおうか。