還付金詐欺?

ゆうちょATM横にある「詐欺にだまされない」というパンフが、やはり気になってしょうがない。以前もブログに書いたかと思うが、詐欺=だますことなのだから、「だますことにだまされない」では、言葉の共喰いである。そんなどんくさい重言を、全国津々浦々にいきわたる配布物に記載するのはいかがなものか。制作過程で指摘はなかったのかと、いちいち目障りなのである。

 

このパンフとともに目に付くのが、「お金を失くしたから振り込めというその話は詐欺」「税務職員が還付金返還について電話で確認することはありません」などと、そこかしこに貼られた警告文である。これだけ警戒網を張り巡らしても、やはり詐欺に引っかかってしまうものかと感心する次第だ。

 

さて、90年代末の話である。LC研究所としての最初の決算と、自身の確定申告を済ませた次の月。税務署員を名乗る男の声で、営業性個人の口座では還付金は送金できない、だから個人名の口座をこの電話で教えてくれとのこと。はいはいと返事をし、当時持っていた郵便貯金(民営化前)の口座番号を告げると「はい、遅くなったのですぐ振り込んどきますねー」との返事で電話は切れた。その3日後通帳を確かめると、還付金はちゃんと口座に納まっていた。

 

今は昔。オレオレ詐欺や振り込み詐欺が世間で取りざたされる以前の、牧歌的な時代の話である。世の中、便利なようで不便になったのかもしれない。