南独・クルマ事情1  あおり運転はドイツでどうぞ

ドイツ・ミュンヘンからあちこちに立ち寄りつつオーストリアを経てスイス、その後シュツットガルトに戻りフランクフルトへ、題して『名車・DSで行く南ドイツ〜スイス12日間』。海外での運転ははじめてではないが、右車線走行はビクビクものであった。よくぞ無事に走破したものだと我ながら感心する。

以下は全走行距離1,500キロ、2019年9月末~10月初旬に主に南ドイツを運転した中での雑感である。

●制限速度は最低速度
かのアウトバーン(A道路)の制限速度が130キロであるのは有名な話だが、一般道も負けてはいない。路肩がタイヤのすぐ脇に来るような狭い田舎道でも、制限速度100キロはザラである。ほとんどのクルマは、大雨の中やボコボコ道、どのような悪条件でも、制限速度の上限で元気よく走っている。カーブでも速度を落とさず、勢いよく曲がる。ちなみに全ての道路はタダなので、それ相応の状態である。しかもA道路>M道路>L道路の順で道は悪くなる。 ●車間距離は車2つ分
時速150キロであれ30キロであれ、きっちりクルマ2つ分空けて前車に続くことが、南ドイツの流儀と見た。バックミラーでは運転手の顔がわかるどころか、表情まで読み取れる。無表情な大男が運転するSクラスのベンツが後ろにはりつく圧迫感、日本なら「あおり運転」認定は間違いない。となりの車線に回避できる時はよい。ほぼ1車線のL道路では、あおりの恐怖が延々と続く。そして対向車線からは、マン社のはみ出しトラックが、うなりを上げてこちらに迫ってくる。 ●停まる時は停まる
市街地に入る前にはきっちりと速度を落とす。道路を渡ろうとしている人を認めると、横断歩道の手前でお行儀よく停止する。また田舎道を占拠する羊に対しても、道路をはみ出して回避しようとせず、群れが最後まで渡りきるまで辛抱強く待ち続ける。 では道を爆走するクルマのラインナップは?南独は、ベンツやBMW、ポルシェなど数々の名車を輩出するクルマづくりのメッカでもあるのだ。この話は次回に。