お役所コトバ考2

おもわず微笑んでしまった。先月実施した、自治体新入職員向けの、オンライン「公文書作成講座」の感想文を読んでいた時のことである。

 

「今まで『~以外は受け付けないものとする』『~と認識される』などの難しい表現が、公務員にふさわしい言い回しであると誤解していた。しかし、当講座で考えを改めた。自分の親やら友人の顔を思いうかべれば、今までの調子では、まともに理解してもらえるわけがない。今後は変な思い込みを捨て、最低限の書類とシンプルな表現で住民の方々とやり取りするよう心掛けたい」

 

100名以上の受講者のうち、こうした感想が少なからず見られたのは、うれしい限りである。

 

公務員に限らず、たいていの組織には独特の言語文化がある。役職名もそうだ。20年ほど前に大型合併をした鉄鋼3社では、合併直後に管理職がダブついてしまった。1つの組織に課長が3人といった状態である。どう呼びならわすか苦悩した結果、「大課長」「中課長」などといった、珍妙な役職名が現出したらしい。

 

初対面で「営業中課長」という肩書の名刺をもらい、(営業中(えいぎょうちゅう)の課長って一体…?)、と悩んだ取引先の人の数は、片手には収まるまい。

 

組織の中の規範が、外部にも通じるとは限らない。ジコチューなブランディングは迷惑なだけだ。誰が見るのか、目的は何なのか、ターゲットが定まったものが「名文」である。

 

最後に、先ほど見つけた、おもしろそうな本を備忘録代わりにひとつ

伝えたいことが相手に届く!公務員の言葉力