わたしを〇〇にしないほうがいい

キャッチーな見出しを考えて、腕組みして椅子にもたれていた数日前の午後のことである。気分転換にはいった図書室(わが事務所の隣部屋。6,000冊の蔵書あり)で目にした一冊の本を見た瞬間、おおぅと声を出してしまった。

 

「わたしを空腹にしない方がいい」くどうれいん(2018)である。なんと巧妙なタイトルだろうか。

 

テーマが「食」であり、かつ「空腹」から日々のつつましやかな食事や間食を題材にしていることが連想できる。そして「空腹にさせない」でなく「しない」が、いわゆる個食についての内容であることを匂わせる。テーマ、題材、著者のキャラまでが、この長からぬ表現に凝縮されているのだ。

 

そしてなんといっても「わたしを〇〇にしないほうがいい」という、上から目線な感じがよろしい。このパターンは使えそうだ。さっそくまねた。

 

会社の業務用文書なので「私」は主語にならない。試行錯誤して「××を〇〇にしないほうがいい」という形式にあてはめた。あんまりおもしろくないが、まあ、おしごと用なので仕方がないか。題名づけの際のストックが増えたから、良しとしよう。

 

 

ストック中のマイベストは「帰ってきた●●」だ。世間でも「ランボー2」「ランボー3」など続編がぞくぞくと生まれると、苦肉の策で、作品の一つにはこれが混ざる。ウルトラシリーズでは「帰ってきたウルトラマン」がある。ヒーロー名以外のタイトルは「ウルトラQ」とこれだけのようだ。

 

ちなみに「帰ってきたウルトラマン」のシリーズ中の最高視聴率は、まさかの最終回だったらしい。やっぱり名タイトルの番組は強いのだ。シュワッ。