同音異義語の妙味

コロナは「収束」か「終息」か。時事ネタをテーマにした、入社前研修の作文をチェックしていたとき、記述のバラツキを見て、あれれ、とおもった。

 

「収束」分裂・混乱していたものが、まとまっておさまりがつくこと。おさめること 例:事態の-を図る、争議が-する

「終息」物事が終わって、やむこと 例:蔓延していた悪疫が-する

 

どうやら、両方とも正解のようである(むむ、変換1発目『せいかいのよう=政界の要』と出たぞ)。

 

しいて言えば、前者は第三者が介入して事態を変化させることを含意するようなので「(ワクチンを打って)コロナ禍を収束させる」はおそらく「収束」が適当。英語で言えば、things betterとかget back to normalか。

 

それに対して、終息は、死亡フラグがたつということだ。だから「コロナウイルスが~」と生き物?を主語にしたときにしっくりくる。end とかdie downとかといったニュアンスだろう。

 

似たような意味を持つ同音異義語は、ことほどさようにややこしい。

 

ちなみに、グーグルをコーパス替わりにして調べると、「コロナ-収束」の用例は310万件ヒットする一方、「コロナー終息」では173万件である。まだまだ、全体的に終息(end)には程遠く、落ち着いてくれ(get back to normal)という認識なのだろう。できるだけ早いdie out(絶滅)を祈るばかりだ。