宴のあと

東京オリンピックが終わった。

 

このたびは運営の在り方など、むしろ場外にスポットライトが当たってしまった感があるが、オリンピックの主役はあくまでも選手のはずだ。トラックやコート、プールで輝く一瞬のため、選手たちは命を削るような練習を重ねる。

 

そんな鮮烈な体験を味わった後の長い長い「余生」に、選手たちを待ち受けているものは何か。1964年のオリンピックの焦点を当てたルポルタージュが、『東京五輪の残像(中公文庫2020年)』である。高度経済成長の真っただ中、日の丸を背負わされたそれぞれの重圧は、計り知れないものがあっただろう。

 

ステイホームでオリンピックロスに悩むあなたに、ぜひおすすめしたい一冊である。