就活生さんからの質問。「オンライン面接のメールでのお礼は『先日は面談くださいまして』『先日は面談いただきまして』、どっちがいいいんでしょうか?」
正解は(そもそも言葉遣いに正解なんかないと思うが)「どっちでも、好きな方に」である。ただし、ニュアンスの違いはある。
もともとの意味は
①~ください(る)=(相手が)くれる
②~いただく=(こっちが)もらう
なので、いわゆる主語が違っているのだ。
たとえば
①’「ご来店くださる」②’「ご来店いただく」では
①’は(客が)来店する
②’(こちらが客に)来店してもらう
という感じだ。
敬意表現という観点では
①~くださる、は相手の動作なので「尊敬(客を上げる↑)」
②~いただく、はこっちの動作なので「謙譲(こっちがへり下る↓)」
の類いになる。
ますます、ややこしくなってきた。
そのために「ビジネスでは謙譲表現②『~いただく』を使うように」と、のたまうマナー講師も多い。
ただし、へり下り過ぎたるはなお及ばざるがごとし。究極の謙譲語?「させていただく」は、相手に有無を言わせない強制力を持つ。「実家に帰らせていただきますっ!」は家出するときの決め台詞だもんね。
*参考 「教えてくださり?」「教えていただき?」NHK放送文化研究所