2019年

10月

29日

新・論理力養成ギプス講座 6 「宝くじで期待値計算」の巻

明子:お父さん、今日は珍しいものを買ったの。

一徹:なんじゃな?

明子:うふっ、宝くじよ、秋のビッグチャンスくじ。1枚2百円だけど一等は3千万なの。年末ジャンボくじに比べて当選確率が高いらしいわ。飛雄馬にも新しいグラブを買ってやれるかしら。

一徹:全部で何本売り出すのかな?

明子:確か300万枚だったかしら、1等前後賞がそれぞれ1千万円、1等組違い賞10万円が29本、2等30万円が90本、3等5千円が6,000本、4等1千円が3万本、5等30万本でも買った金額分の2百円がもらえるわ。それと、実りの秋賞が10万円が600本なの。

 

一徹:ふん、わが娘でも女とは話せんわい。そんなくだらんことでムダ金を使うとはな!

明子:まあ、ムダ金ですって?

一徹:当たり前よ。1等3千万円の当選確率は0.00003%、前後賞でも0.00006%じゃ。

明子:確かに小さな数値だけど、そんなに低い確率なの?

一徹:まさに天文学的よ。日本国内で交通事故で死ぬ確率は最近では0.003%前後。つまり、1等当選確率の100倍近くじゃ。

明子:まさか!

 

一徹:そもそも、宝くじ金額の払戻率は、50%以下と法律で決まっておる。80%以下とされておる競馬や競輪よりはずっと低い。
明子:なんてことかしら…。

一徹:明子よ、それぞれの賞の当選確率に賞金を掛けた和、期待値は87円。つまり払い戻し率は43.5%、これを見るだけですぐわかるじゃろう。ものを買うときには計算ぐらいせんか!

明子:お父さん、確率の計算を習うのは中学生以上なの。あたしはお母さん代わりにずっと家事をしてきたから、学校もろくに行っていないのよ。

 

明子、うつむく。一徹、にじむ涙を見られまいと天井をにらむ。

 

2017年

2月

20日

やっぱりディベートが好き

週末、ディベートの審判員をさせていただいた。(前々回物議をかもした『させていただく』だが、審議会答申に照らせば今回に限り適切かと)。その時おもったのは、「カウンセリングもコーチングもファシリテーションもじったものの、やっぱりわたしにゃディベートが一番」ということだった。

 

なぜか。ひとつめは、聴く時間としゃべる時間が担保されているからだ。カウンセリングだと特に初期段階では「それはおつらい体験だったでしょう」「無理もないですね」など、基本的に自分のセリフはあいづちのみ。根がおしゃべりな人間にとっては結構つらい。

 

ふたつめは、スピード感。相手の論点を追いかけ、頭をフル回転させて、チームでタッグを組んで論題に添ったカウンターコメントを考える。ハンパなく聴く力が要求される。

 

最後は、建設的であること。ディベートでは点数のほか、いかに論題の検証に貢献したかが俯瞰的に評価される。相手の揚げ足取りに終始すれば、点数という勝負には勝っても試合に負けてしまう。

 

しかしディベートは、ひところに比べて盛んではなくなったという。なぜか。確かに準備には手間がかかる。人数もそろえなきゃならない。

 

が、最大の理由はおそらく「討論」=真っ向から相手方とサシで勝負するというイメージが好まれないからに違いない。それが最近の、「共感」だの「絆」だのヨコのつながり大好き、白黒つけるの苦手、の風潮からは時代遅れに見えるのだろう。いやいや、どちらがより聴衆の支持、つまり共感を得られるかという勝負なのだが。もったいない話だ。

 

 

2016年

8月

29日

新・論理力養成ギプス講座 5-1

「観客」は誰か

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2016年

5月

16日

新・論理力養成ギプス講座4-2

まやかしの比較(2)

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2016年

5月

09日

新・論理力養成ギプス講座4-1

まやかしの比較

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新・論理力養成ギプス講座 3-1

逆vs対偶

アッコ:「まあ、驚いたわ…」
一徹:「どうしたんじゃ」
アッコ:「今、スティーブ・ジョブズさんの記事を読んでいたんだけれど、ジョブズさんは片付けるのがとても苦手だったんですって。ほら、見て、仕事机の写真が載っているけど、たくさんの資料が積まれているわ。今にも崩れそうよ」
一徹:「ほう、これはすごいのう。机の底が見えん」

アッコ:「ふふっ、記事を書いた人がこんなことを言ってるわ。『こんなふうに天才は片付けるのが苦手なのである。だから筆者も天才かもしれない』ですって」
一徹:「ふん、論理を知らぬ奴は哀れむべきじゃのう。逆は必ずしも真ならずじゃ」
アッコ:「それはことわざかしら、お父さん」
一徹:「ことわざでもあり、論理学の基本でもあるのじゃ」
アッコ:「知らなかったわ…本当はどういう意味なの?」

つづく

2019年

10月

29日

新・論理力養成ギプス講座 6 「宝くじで期待値計算」の巻

明子:お父さん、今日は珍しいものを買ったの。

一徹:なんじゃな?

明子:うふっ、宝くじよ、秋のビッグチャンスくじ。1枚2百円だけど一等は3千万なの。年末ジャンボくじに比べて当選確率が高いらしいわ。飛雄馬にも新しいグラブを買ってやれるかしら。

一徹:全部で何本売り出すのかな?

明子:確か300万枚だったかしら、1等前後賞がそれぞれ1千万円、1等組違い賞10万円が29本、2等30万円が90本、3等5千円が6,000本、4等1千円が3万本、5等30万本でも買った金額分の2百円がもらえるわ。それと、実りの秋賞が10万円が600本なの。

 

一徹:ふん、わが娘でも女とは話せんわい。そんなくだらんことでムダ金を使うとはな!

明子:まあ、ムダ金ですって?

一徹:当たり前よ。1等3千万円の当選確率は0.00003%、前後賞でも0.00006%じゃ。

明子:確かに小さな数値だけど、そんなに低い確率なの?

一徹:まさに天文学的よ。日本国内で交通事故で死ぬ確率は最近では0.003%前後。つまり、1等当選確率の100倍近くじゃ。

明子:まさか!

 

一徹:そもそも、宝くじ金額の払戻率は、50%以下と法律で決まっておる。80%以下とされておる競馬や競輪よりはずっと低い。
明子:なんてことかしら…。

一徹:明子よ、それぞれの賞の当選確率に賞金を掛けた和、期待値は87円。つまり払い戻し率は43.5%、これを見るだけですぐわかるじゃろう。ものを買うときには計算ぐらいせんか!

明子:お父さん、確率の計算を習うのは中学生以上なの。あたしはお母さん代わりにずっと家事をしてきたから、学校もろくに行っていないのよ。

 

明子、うつむく。一徹、にじむ涙を見られまいと天井をにらむ。

 

2017年

2月

20日

やっぱりディベートが好き

週末、ディベートの審判員をさせていただいた。(前々回物議をかもした『させていただく』だが、審議会答申に照らせば今回に限り適切かと)。その時おもったのは、「カウンセリングもコーチングもファシリテーションもじったものの、やっぱりわたしにゃディベートが一番」ということだった。

 

なぜか。ひとつめは、聴く時間としゃべる時間が担保されているからだ。カウンセリングだと特に初期段階では「それはおつらい体験だったでしょう」「無理もないですね」など、基本的に自分のセリフはあいづちのみ。根がおしゃべりな人間にとっては結構つらい。

 

ふたつめは、スピード感。相手の論点を追いかけ、頭をフル回転させて、チームでタッグを組んで論題に添ったカウンターコメントを考える。ハンパなく聴く力が要求される。

 

最後は、建設的であること。ディベートでは点数のほか、いかに論題の検証に貢献したかが俯瞰的に評価される。相手の揚げ足取りに終始すれば、点数という勝負には勝っても試合に負けてしまう。

 

しかしディベートは、ひところに比べて盛んではなくなったという。なぜか。確かに準備には手間がかかる。人数もそろえなきゃならない。

 

が、最大の理由はおそらく「討論」=真っ向から相手方とサシで勝負するというイメージが好まれないからに違いない。それが最近の、「共感」だの「絆」だのヨコのつながり大好き、白黒つけるの苦手、の風潮からは時代遅れに見えるのだろう。いやいや、どちらがより聴衆の支持、つまり共感を得られるかという勝負なのだが。もったいない話だ。

 

 

2016年

8月

29日

新・論理力養成ギプス講座 5-1

「観客」は誰か

一徹:「ふん!!くだらんにも程がある」

アッコ:「俳優二世が婦女暴行容疑で逮捕された事件ね。確かに、どのTV局を見ても親である有名俳優の釈明会見ばかりだわ。親だから責任はあるにしろ、もう成人なのに。涙ながらにおわびする親に、矢継早に質問をして袋叩きにして何になるの。確かにお父さんの言う通り、くだらないわ」
一徹:「違う、わしの言ったのはそういう意味ではない!この釈明会見の対象と目的を考えたら、あほらしゅうて見とられんという意味じゃ」
アッコ:「(じゃあさっさとTVを切ればいいのに)・・・釈明の目的って?謝るのに目的がいるかしら。対象は『TVを見ている世間一般の人』でしょ?」
一徹:「そうよ、TVを通じての謝罪は、わしやアッコなどの一般ピーポー向けというわけよ。しかし、そもそも謝らなければならないのは誰に対してじゃ?」
アッコ:「そりゃもちろん、被害に遭わせた方よ。でも心からおわびしたいって、さっきの言葉にあったわ」
一徹:「まあ、それはよかろう。では聞くが、相手に直接謝罪するほかに、こいつがわしやアッコなどにわびにゃならん理由や意義は何かな?」
アッコ:「それは、…世間をお騒がせしたからじゃないかしら」

2016年

5月

16日

新・論理力養成ギプス講座4-2

まやかしの比較(2)

『熊本地震、農業水産被害額1千億円超。…阪神上回る』というニュースタイトルに難癖をつける一徹。いったい何が気に入らないのか!?

一徹:「よいか、アッコ。熊本県といえば、どんな名産物、食い物を連想する?」
アッコ:「なんといってもとスイカ。あと、近所からおすそわけのみかんは、確か熊本産だったわ。あとは『くまモン』じゃなくって?」
一徹:「…アッコよ、くまモンは断じて食いモンではないぞ。確かにスイカ、温州ミカンやデコポンなどのかんきつ類は、出荷量は全国一位じゃが」
アッコ:「社会の時間で、酪農も盛んだって聞いたわ」
一徹:「トマトの生産量も日本一よ。その他、主な出荷先は関西じゃが、ナス、キュウリなどの青物の生産も盛んで、全国有数の農業県なのじゃ」
 

アッコ:「ということは兵庫県は農業県ではないの?クワガタさんとデート…いえ、ある方にご馳走になったときのビフテキは、神戸牛と聞いたのだけど」

一徹:「兵庫県は丹波、但馬、播州、摂津の4つのパートからなっておる。神戸牛で有名な但馬は北部の地域で、地震の直接的被害はほとんど受け取らん。地震で甚大な被害を受けた、神戸を中心とする摂津地方、すなわち阪神地域は古くからの工業地帯でもあり、関西有数の住宅地でもある」
アッコ:「そうだったの」

一徹:「そもそも兵庫県全体でも、野菜・果物出荷額を合わせて500億円に満たない金額じゃ。それに対し熊本県は1400億円を超える」

 

アッコ:「確かに、農業が基幹産業である県と、そうでない県と農業関係の被害額を比べても意味がないわね。何を元にするか、指標の意味をはっきりさせてこそ比較の意味があるのね」

一徹:「まさにそこよ。おお、ここにある新聞の見出しも全く同じか。一体、どこのマスコミじゃ!その馬鹿げた面が見たいわ!!」
アッコ:「ごひいきのNテレビとY新聞よ。お父さん、それしか見ないじゃないの」
 

おわり

 

2016年

5月

09日

新・論理力養成ギプス講座4-1

まやかしの比較

アッコ:「ああ、なんてこと。左門さんの故郷の熊本県がこんな大地震にあうなんて」
一徹:「本当じゃのう。あの堅固な熊本城すら哀しい姿をさらしておる」
アッコ:「まあ、テレビのトップニュースで言っているわ。『熊本地震、農業水産被害額1千億円超。…阪神上回る』」
一徹:「ふん。くだらん」
 アッコ:「ひどいわ、お父さん。こんどというこんどは愛想がつきました!」

一徹:「あわてるな、アッコよ。被害がばかばかしいと言ってるのではない。くだらんのは比較すべき対象よ」

アッコ:「どういうことなの?」
一徹:「熊本地震での被害と、阪神大震災のそれとを比較しても意味がないということじゃ」
アッコ:「でも、この新聞にも載っていてよ。「県内での農林水産関係の被害額としては、これまでの最大となり、1995年の阪神大震災での被害額(900億円)も上回った」と」
一徹:「熊本県での過去の被害額と比較するなら意味があろう。しかし、阪神大震災と比較する理由は何かの?」
アッコ:「それは被害の範囲が似ているからではないかしら?阪神大震災は直下型地震で、震度7だった兵庫県南部を中心に、大阪府の一部が被災地域だったはずよ。熊本地震も同じで、震源地熊本県益城町をはじめ県の全域と、大分県の一部に大きな被害が出ているわ」
一徹:「では聞くが、なんで農業水産被害額なのかの?」
アッコ:「それは地方都市だから、じゃないかしら」
一徹:「ふん、哀れむべきよのう、中卒は」
アッコ:「お父さん、なんてことを…(今だったら放送禁止用語よ!)」

 

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