うなづきの難しさ

先程から、原稿をまとめるためにインタビュー音声を聞き直している。

 

さっきから気になっているのは、インタビュアーである自分の口癖だ。相手の言葉を「そうですね」と肯定する文脈で「いえ」と否定語を口走り、内容を確認すべき場面で「ですから…」と、断定語を使っている。

 

そして、興味深いのは相手の反応だ。こうしたいわば、否定的、断定的な言葉の投げかけの後には、必ずレスポンスが遅れているのだ。ホンの0.数秒以下のタイミングだが、あきらかに言いよどみが見られる。

 

立て続けにそんな状態が発生しているわけではないので、対話自体はスムーズに流れている。ただ、こうしたやりとりが重なると、相手の心の無意識層に、「話の腰を折られたな」「強引だな」と、不快感が澱(おり)のようにたまっていくのではないか。

 

今をさかのぼる数十年前。漫才ブームの最中、相方の圧倒的なトーク力に押され、ただただあいづちとうなづきで追従するしかないツッコミ役がいた。3人集めて「うなづきトリオ」揶揄されながら、それなりに人気になっていた。。

 

確かに、たかがうなづき、されどうなづき。しゃべりまくる相方を鼓舞するのも凹ませるのも、うなづき一つで変わるのだ。漫才ブームが記憶のかなたに去り、M-1グランプリも17回目を迎えようとしている今、やっとあのトリオの存在意義を理解した私だった。

 

参考URL:「ですから」の一言が、ふつうのお客様をモンスターに変える

      ダイヤモンド社 書籍オンライン 

 

リーダーシップに不可欠なものとは

あけましておめでとうございます。今年初のお題は、「リーダーシップ」ということで。

 

今回の題材は年1回米国で開催されるユニークなプレゼン会議であるTED(Technology Entertainment Design)から。NHK番組『スーパープレゼンテーション』でその名を聞いている方も多かろう。(とエラそうに言うが、実は私も番組からこの会議の存在を知った)

 

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2020オリンピックとプレゼン

1回更新が飛んでしまったので、最新ネタで。プレゼン力養成中の皆さん、9/7にアルゼンチンのプエノスアイレスで行なわれたオリンピック招致のプレゼンを、まさか見逃してはいまいな?

 

佐藤・太田などの現役選手や猪瀬都知事・安倍首相などの政治家は当然として、かの滝川クリステル女史や宮様まで引っ張り出した総力プレゼンテーションは一見の価値がある。you tube等で視聴できるので、まだの人はぜひ全員のプレゼンをチェックしてほしい。

 

私なりの注目ポイントをいくつか。

ひとつは、全員が1つのテーマを強く持ち、前面に押し出していたことだ。それが何であるかは、皆さん、各プレゼンをよく聞いてそれぞれで考えてくれたまえ。

 

もうひとつは、1つのテーマに向かって各自の役割分担が明確であったことだ。私が見るところ、女性=情動、男性=論理という伝統的なジェンダー観をそれぞれ背負わされている。皆さんはどう感じるだろうか。

 

さいごは、不利益情報を伝えるときの典型例があること。担当は言わずと知れた安倍さんだ。何の根拠もないまま「とにかく大丈夫だ」とアピールしなければならない難しいケースである。話の構成に着眼されたい。

 

冒頭に原発についてさらっと触れたうえで、あえて自分の子ども時代の「夢」に論点をずらせて長々としゃべり、ポジティヴな印象を残す手法をとっている。定石なので参考になろう。説得力があるかどうかはともかく。

 

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オノマトペとうまく付き合う

結構いいこと言っているんだけど、あらたまった場面でしゃべるとイマイチ'残念'なヤツがいる。仮に「イマ男」としとこう。その理由に最近になって気付いた。次にイマ男との会話を記す。

 

イマ男:「A先生の研修なんですけど、なんか気持ちにグーッと来ないんですよね。サクサクと進んでいくだけに後に残らないっていうか…」

私:「そうかなぁ?受講者へのコメントもいかにもリケ女って感じで、客観的かつ的確だよ」

イマ男:「ウーン、それが人によってはツンツンしてるって感じになってしまうんですよ。その点、B先生は最初にガツンとやるから、その次の内容がズンズンはいるって好評なんです」

 

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メラビアンの法則2

「具体的にどう見た目、聞いた感じの印象をアップするか?」というところで前回を終えた。でも正直なところ、ヒラリーやオバマ(両人ともスピーチの名手)ならぬシロウトの私たちは、「アップさせる」という加点主義はムリと考えた方がいい。

 

むしろ、「どうやったら(あんまりパッとしない?)見てくれや不慣れなしゃべり方に惑わされず、話の中身を聞いてもらえるか」に気をつけた方がよいのではないか。つまり、「相手が自分の話に集中できるような身じまい、態度」である。

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